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220万円の非課税へ!シン・生前贈与を徹底解説!

本ブログではこれまで、2024年に改正された生前贈与の仕組みを解説してきました。



これまでも、生前贈与の制度によって、年間110万円までの贈与に対しては、贈与税がかかりませんでした。

しかし、今回の改正で、その枠が2倍の220万円にできる可能性がでてきました。

 

そこで

・これから相続対策を検討しようとしている方

・生前贈与による相続税対策をしようとしている方

・相続税の基礎控除を超える資産をお持ちの方

 

このような方に向けて、2024年の法改正を上手く使った相続税対策についてわかりやすくお伝えしていきたいと思います。

皆さまにプラスになる点をお伝えしていければと思いますので、ぜひ最後まで読んでみてください。


「暦年贈与」と「相続時精算課税制度」の前提知識


暦年贈与と相続時精算課税制度の前提知識を確認します



今回は、贈与税の非課税枠が110万円×2倍の220万円になる可能性についてお話していきます。

その前に前提知識として、2024年に改正された贈与税の制度で、ポイントとなる2つの制度をおさらいしておきたいと思います。

① 暦年贈与

② 相続時精算課税制度

それぞれ解説していきます。

 

① 暦年贈与


暦年贈与とは、年間110万円の贈与には、贈与税がかからないという制度です。

まとめて多額の贈与をするのでなく、110万円ずつコツコツと決められた範囲内で贈与すれば税金はかかりません。

 

元のルールでは、3年以内の暦年贈与が相続税の対象になっていましたが、

2024年の改正によりその期間が4年のび、さかのぼって相続税の対象にするのは7年前までとなりました。

 

そのため、暦年贈与を使って贈与税がかからないように贈与するには、より早い段階から準備をしなければならなくなりました。

 

ただ、ご自身の相続を見越して、7年前からコツコツと贈与を開始するというのは、なかなか想像がつきにくいと思われます。

それに、今までよりも4年多く持ち戻しするということは事実上、増税ということです。

賢く贈与の対策をしなければ、損をしてしまうかもしれないので注意が必要です。

 

② 相続時精算課税制度


相続時精算課税制度は、受け取る側が2,500万円までなら税金なしで贈与できるという制度です。

そのため、相続時精算課税制度を利用する方が、毎年110万円ずつコツコツよりも、財産をまとめて早く贈与することができます。

 

しかし、相続時精算課税制度で贈与した財産は贈与時に贈与税が不要でも、相続税の基礎控除を超える財産がある家の場合は、相続時に相続税の対象になってしまう可能性があるため注意が必要です。

 

ちなみに相続税の基礎控除は、

3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

で計算できます。

仮に、法定相続人が、配偶者と2人の子供の場合、3,000万円+1,800万円(600万円×3人)となり、相続税の基礎控除は4,800万円です。

例えばこの家の相続財産の合計が4,800万円以下の場合(基礎控除内の場合)、相続時精算課税制度を利用して贈与した財産については、相続時に相続税が発生しないため、早めに無税で財産を移転することができるため、大きなメリットがあります。

ところが今までの制度ですと、相続税がかかる家の場合(基礎控除を超える財産がある場合)は、相続時精算課税制度を選択すると、相続時に相続税がかかる可能性があると同時に、暦年贈与を利用することもできなくなるため、選択する人は少なかったように思います。

 

相続時精算課税制度の改定「110万円の基礎控除の追加」


相続時精算課税制度に設定された基礎控除について解説します



ところが、2024年の改正で、相続時精算課税制度が一気に使いやすくなりました。

特に大きな変更点は、相続時精算課税制度に「年間110万円の基礎控除枠」が新設されたことです。

 

これまでの相続時精算課税制度では、非課税枠は一律で2,500万円まででした。

そして、贈与した2,500万円は、最終的に相続財産としてカウントされ、相続税の対象になっていました。

そのため、相続財産が基礎控除内におさまらず、相続税がかかる人にとってはメリットがあまりありませんでした。

 

ところが、相続時精算課税制度に年間110万円の基礎控除ができたことにより、2,500万円の非課税枠を利用しながら、それとは別で110万円の贈与を非課税で、できるようになったのです。

 

前述したとおり、これまでは、暦年贈与と相続時精算課税制度は併用不可だったので、どちらかを選ぶ必要がありました。

しかし、今回の改正により、相続時精算課税制度を利用しても、110万円の贈与の非課税枠があるため、暦年贈与と併用すると220万円の非課税枠が使える可能性がでてきました。

 

年間220万円を贈与しても非課税にする方法


ここからは、

・暦年贈与の非課税枠である年間110万円の贈与

・相続時精算課税制度の基礎控除である年間110万の贈与

これらをダブルで使用し、年間220万円贈与税なしで贈与できる可能性について解説します。

 

例えば、父と母が贈与を検討する場合、

・父(あるいは母)が暦年贈与を利用して年間110万円を贈与

・母(あるいは父)が相続時精算課税制度を利用して年間110万円を贈与

そうすると、それぞれが1人の子供に対し110万円ずつ、合計で220万円の贈与の非課税枠を利用することができます。

 

ただし、制度の利用には注意しなければならないことがあります。

それは、父と母の二人ともが同じ制度を利用しないことです。

 

父母両方が暦年贈与を利用したり、二人が同時に相続時精算課税制度を利用しても、

1人の相続人に対し、それぞれの制度で非課税枠は年間110万円までとなってしまうので、220万円の非課税枠にはなりません。

 

まとめ


さて今回は、生前贈与の非課税枠が220万円になる可能性について、改正の概要やポイントをお伝えしてきました。

 

総じて、今回の改正された贈与の制度を上手く活用するには、

・資産がいくらあって、相続税がいくらくらいか。

・それをふまえて、どのように計画を立てて贈与をすすめるべきか。

・父と母どちらが、「暦年贈与」か「相続時精算課税制度」どちらの制度を利用すべきか。

このような情報を整理して、戦略的に資産管理をするのがポイントです。

 

せっかく有用な制度があるのですから、ぜひとも上手く活用したいものですよね。

 

令和の税制改正で、生前贈与による相続税対策が行いにくくなったのは前回にも紹介していましたが、一方で、年間の贈与の非課税枠がこれまでの2倍の220万円にできる可能性がでてきたのは朗報です。

こうした制度をよく理解し、適切に組み合わせることによって、上手に生前贈与を行っていきましょう。

 

ただ、有利になった部分もあれば、複雑化してわかりにくくなったと感じられる方もいらっしゃるでしょう。

まずは、制度の概要を知り、専門家と一緒に、ご自身の状況にあった相続税対策に取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

そこで、不動産相続アーキテクツでは

 

・将来、相続税がいくらかかるのか?

・自分の家にとって、どのような生前贈与が有効なのか?

 

このようなことを、提携先の税理士をご紹介し、ご案内することが可能です。

 

もし税理士のご紹介を希望される方はこちらの窓口(不動産相続アーキテクツのお問い合わせ)までご相談ください。
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