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【サブリース契約の罠】基礎知識からリスク回避方法まで徹底解説

サブリースとは、賃貸物件の管理をオーナーの代わりにサブリース業者が行い、

賃借人の有無に関わらずオーナーに家賃が支払われる制度を指します。

この制度は、万が一空室が発生しても、毎月決まった家賃を保障してもらえる仕組みです。

オーナーにとっては、空室を作ってしまう不安が減って、安定した収入が保証されるため、一見素晴らしい制度に思えます。

しかし、この制度は正しく理解していないと、契約から時間がたった後で痛い目を見ることもあります。

私も、これまでのご相談の中で、実際にサブリースが原因で後から苦労されているオーナーをたくさん見てきました。

そこで今回は、
・ サブリース契約を行うか迷っている方
・ サブリース契約をしている親の賃貸を相続される予定の方
・ 相続対策でアパートやマンションを建築される予定の方

このような方たちに向けて、失敗しない正しいサブリース契約の制度を解説していきます。

 

【目次】
賃貸管理契約の基礎知識
サブリース契約をする前に知っておきたい注意点
1、家賃収入が減る
2、売却価格が下がる
3、修繕をしないと契約が解除される
4、保証家賃が下がる
まとめ
あとがき

 

賃貸管理契約の基礎知識


さて、サブリース契約の制度を解説する前に、

その仕組みを理解するうえで欠かせない、一般的な賃貸管理契約を解説しておきます。

賃貸管理契約とは、オーナーが所有している賃貸物件について、管理会社がオーナーの代わりに管理をする契約のことです。

 

オーナー個人で、賃借人とのやり取りや家賃の管理を行おうとすると、かなりの手間がかかってしまいます。

複数の賃借人と契約している場合はなおさらでしょう。

そこで、オーナーは管理会社に手数料を支払い、家賃回収などを依頼することが一般的ですが、ここで生じるのが空室になってしまう不安です。

当然、空室になると家賃収入を得られません。

今、賃借人がいたとしても、空室を作る不安は常にオーナーについてまわります。

この不安を解消しようと登場したのが、サブリース契約という制度です。

 

サブリース契約を結ぶと、契約期間内では必ず、サブリース業者が保証家賃を毎月支払ってくれます。

オーナーは何もしなくても安定した収入が見込め、空室を不安に思う必要はありません。

賃貸管理業務は、家賃の集金や賃貸契約の手続き、クレーム処理など、他にもたくさんあります。

とても大変ですが、サブリース業者が賃貸管理のすべての窓口になってくれるため、オーナーの負担も大きく軽減されます。

 

ここまでの話なら、賃貸物件を持っている方にとっては、素晴らしい制度に聞こえます。

では、サブリース契約のどこに注意すべきなのでしょうか。

 

サブリース契約をする前に知っておきたい注意点


 

サブリース契約を結ぶ前に知っておくべき注意点を解説します



サブリース契約を結ぶ前に事前に知っておいた方がよいのは、以下の4つの可能性があることです。

1、家賃収入が減る
2、売却価格が下がる
3、修繕をしないと契約が解除される
4、保証家賃が下がる

なお、これらは、サブリース契約をすると必ず起こる、というものではありません。

ただし、中には発生する可能性が高いものもあるので、それぞれどのような内容か解説していきます。

 

1、家賃収入が減る


ひとつめは、サブリース契約をすることでむしろ、家賃収入が減る可能性がある点についてです。

サブリースで保障してもらえる家賃は、周辺相場の80%程になるため、得られる家賃収入は相場よりも20%程度下がります。

例えば、家賃10万円の物件で計算した場合、サブリース契約で空室時に保障される家賃は8万円になります。

いうなれば、サブリース業者への手数料が1室あたり2万円かかるということです。

もし空室が10室あれば、毎月20万円が手数料として引かれることになってしまいます。

空室の心配をしなくていい代わりの安心料を買っていると考えるので、この出費はしょうがない、
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん、そのような考えが間違っているわけではありませんので、あくまで事前知識として把握しておいてほしいと思います。

サブリース契約のメリットは受けられるので、総合的にみて、サブリース契約がよいと判断される分には問題はないでしょう。

 

2、売却価格が下がる


実は、この点はかなり注意が必要です。

というのも、賃貸物件の場合の売却価格は、通常の物件と異なり、家賃収入に対する利回りから換算されるためです。

サブリース無し物件の場合は、家賃設定満額の価格を換算することになります。

しかし、サブリース契約をしている場合には、家賃収入が下がってしまうため、売却価格もそれに応じて少なくなる可能性が出てきます。

通常、契約期間内のオーナー都合のサブリース契約解除は、できない契約になっている事の方が多いです。

ですので都内で家賃収入が高く見込める物件をサブリースしていた場合、売却価格がサブリース賃料ベースで検討されることになるため、注意が必要です。

 

逆に、地方の物件や駅から遠い賃貸物件はサブリース契約を解除した時の、次の入居者探しが大変苦労するのは目に見えています。

そのような立地の物件はサブリースを解除すると、売ることが難しくなります。

 

ですので将来的にサブリース契約解除を想定するなら、特に契約事項の中途解約事項をしっかり確認しておきましょう。

途中解約ができるかどうか、できる場合はどのような条件なのかを、サブリース契約を締結する前に知っておくべきです。

また、サブリース契約が付いた物件を相続する場合も、契約内容はよく確認しておきましょう。

 

3、修繕をしないと契約が解除される


長期的なサブリース契約の場合は、10年や15年でサブリース業者指定の修繕工事を行わなければならない、という契約になっている可能性があります。

もし、指定の修繕工事を行わなければ、契約解除されてしまうので、注意が必要です。

サブリース契約の継続条件はサブリース業者によっても異なりますが、契約内容に大規模な修繕工事の必要性が記載されている場合があります。

もし、この条件を見落として契約すると、数年たってから想像以上に多額の修繕工事費用がかかる可能性があります。

この点は、見落としがちな項目なので、サブリース契約の継続条件はよく確認するようにしましょう。

 

4、保証家賃が下がる


最後に、サブリース契約で一番注意すべき点について解説します。

それは、保証家賃が下がっていく可能性があるということです。

サブリースの契約内容をよくみてみると、例えば、以下のような条文があることもあります。

『保証家賃は、経済状況や近隣相場の家賃等を勘案し、2年ごとに賃料の見直しを行うものとする』

条文通りに読むと少し硬い文章になり、よくわからないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。

要は、サブリース契約書に記載されている契約期間が30年間でも、2年ごとに家賃の見直しが発生する可能性がある、ということです。

ですので投資目的で借り入れをして、新築アパートの契約をしたというようなケースでは、特に注意が必要です。

当初の家賃相場がずっと続く前提のシミュレーションをしていると、万が一保証家賃が下がってしまった時に、キャッシュフローが悪化する可能性もあります。

借入をする前に、サブリース契約に記載の保障家賃の扱いを確認し、保障家賃が下がった時のキャッシュフローについてもシミュレーションをしておくようにしましょう。

 

まとめ


さて、ここまで4つの注意点を解説してきました。

4つの注意点の全てが必ず起こるというわけではありませんが、複数が同時に起こり、大損失になる可能性はゼロではありません。

実際に、私がご相談を受ける中で、当初のサブリース契約から時間が経ったことで保証家賃が減額され、

想定になかった大規模修繕の追加工事ローンを組むことになり、返済に苦労しているオーナー様も見てきました。

こういった事例を防ぐためにも、事前に契約の内容をよく確認しておくことは重要です。

サブリース契約は一見、管理の手間が一切なく、空室の家賃の保障もあって、オーナーにとって便利で優れた制度です。

しかし、サブリース契約をしたから必ず安心というものではありません。

くれぐれも、契約する前に、契約内容をよく確認しておくようにしましょう。

特に、契約期間中の修繕義務や、保証家賃の見直しのタイミング、契約解除の条件については注目をしてみておくことをおすすめします。

これらがオーナーにとって不利な内容ではないか、よく確認しましょう。

 

【サブリース契約の確認ポイント】

1、保証家賃が下がることも想定した収支計画を立てられているか。

2、サブリース契約の継続や解除するためには、どのような条件があるか。

3、将来、売却を検討しようとした時に、借り入れの返済ができるかどうか。

 

少なくともこの3つは、必ず事前に確認しておくことをおすすめします。

 

あとがき


さて今回は、サブリース契約の注意点と確認事項、リスクを回避する方法などをお伝えしてきました。

契約してしまってから、サブリース契約の途中解除ができないことや修繕に多額の費用がかかるなどが発覚しても、対処に苦労することは明らかです。

必ず事前に確認し、リスクを回避しましょう。

今回の記事が、早めに対策をとるきっかけになれば幸いです。

とはいえ、ご自身の状況であればどの方法を選ぶべきか分からない、専門家の意見が聞きたいという場合もあるでしょう。

そんな時は、身近の信頼できる専門家に相談することをおすすめします。

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