Blog ブログ

Blog

HOME//ブログ//豊島区で不動産を相続する際に知っておきたい基礎知識

相続知識

豊島区で不動産を相続する際に知っておきたい基礎知識


【導入】不動産相続が“身近な問題”になる時代、豊島区でも例外ではない

高齢化の進行や都市部の人口密集などの影響により、不動産相続はますます身近なテーマとなっています。特に東京都心に位置する豊島区では、土地の価格や建物の価値が高いことから、相続時に大きな金額が動くケースも少なくありません。

「実家を相続したけれど、どうしたらよいかわからない」「相続税の負担が不安」「共有名義って何?」──そんな疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。

本記事では、豊島区で不動産を相続する際に最低限知っておきたい基礎知識を、初心者の方でもわかりやすく整理しました。相続の流れから税金、法的手続き、地域ならではの注意点まで、実例を交えながら解説していきます。

第1章:相続の基本的な流れとスケジュール

■ 相続発生からの主な流れ

不動産相続は、次のようなステップで進んでいきます。

1.被相続人の死亡(相続開始)

2.相続人の調査・確定

3.遺言書の有無の確認

4.遺産の調査(不動産、預貯金、借金など)

5.相続方法の選択(単純承認・限定承認・放棄)

6.遺産分割協議

7.相続登記・名義変更

8.相続税の申告・納税(10ヶ月以内)

豊島区に限らず、この流れは全国共通ですが、都市部特有の地価の高さが豊島区では重要な要素になります。

■ 豊島区内でよくあるケース

豊島区では次のような相続ケースが多く見られます。

・一戸建て住宅(池袋・目白・巣鴨エリア)を子どもが相続

・古いアパートを相続し、賃貸経営を継承

・複数の兄弟姉妹で一筆の土地を共有名義にしてしまう

・実家を相続するが遠方に住んでおり空き家になる

こうした状況に応じて、相続後の対応が変わってきます。

第2章:豊島区特有の相続リスクとは?

■ 地価の高さ=相続税の課税リスク

豊島区は山手線内に位置する都市部のため、地価が高く相続税の課税対象になりやすい地域です。令和5年の路線価によると、池袋駅周辺では1㎡あたり100万円超という場所もあります。

たとえば、50坪(約165㎡)の土地を相続するだけでも、評価額は1億円を超える可能性があるのです。被相続人が現金を多く遺していなければ、納税資金を不動産売却で賄うケースも珍しくありません。

■ 再建築不可物件や借地権付き物件のリスク

豊島区では昭和以前に建築された狭小住宅や再建築不可物件も多く存在しています。また、借地権付きの住宅も見受けられ、これらは相続後に活用や売却しづらい不動産です。

知らずに相続してしまうと、以下のような問題が起きます:

・売却価格が極端に低くなる

・解体費用だけが発生する

・借地権の承継や更新料が必要になる

■ 空き家対策特別措置法との関係

豊島区では空き家率も増加傾向にあります。相続後に管理しないまま放置していると「特定空き家」に指定され、固定資産税の優遇が解除される恐れがあります。

第3章:相続登記と不動産の名義変更手続き

■ 相続登記は2024年から義務化

令和6年(2024年)4月から、不動産の相続登記が義務化されました。これにより、相続開始から3年以内に登記をしなければ、10万円以下の過料が科される可能性があります。

■ 豊島区での登記手続き

豊島区に所在する不動産の登記は、東京法務局 豊島出張所が担当窓口となります。手続きには以下の書類が必要です:

・被相続人の除籍謄本・戸籍謄本

・相続人全員の戸籍謄本

・遺産分割協議書

・不動産の登記事項証明書

・固定資産評価証明書 など

登記は司法書士に依頼するケースが多いですが、自身で手続きすることも可能です。専門家への相談が安心ではありますが、費用相場は10〜15万円程度です。

第4章:相続税の申告と納税の実務

■ 相続税が発生するケース

相続税がかかるかどうかの判断は、「基礎控除額」を超えるかどうかです。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

たとえば相続人が2人であれば、基礎控除額は4,200万円。この額を上回る相続財産がある場合、申告義務が生じます。

■ 豊島区での相続税申告に関する注意点

豊島区で相続税の申告を行う場合は、東京国税局・池袋税務署が担当となります。豊島区の不動産は評価額が高くなりやすいため、課税対象となることが多いです。

特に活用すべき制度として、

・小規模宅地等の特例

・配偶者の税額軽減

・相続時精算課税制度

などがあります。これらは専門的な知識が必要なため、税理士との連携が重要です。

第5章:将来のトラブルを避けるためにできること

■ 遺言書の作成でトラブル回避

遺産分割で揉める原因の多くは、「遺言書がないこと」にあります。豊島区でも兄弟間での不動産相続トラブルは少なくありません。

遺言書を公正証書で残しておけば、法的な効力を持ち、相続人全員が納得しやすくなります。豊島区には複数の**公証役場(例:池袋公証役場)**がありますので、活用を検討しましょう。

■ 共有名義は避けるべき?

共有名義で相続すると、以下のような問題が発生する可能性があります。

・売却や賃貸の際に全員の同意が必要

・将来的に相続人が増えて収拾がつかなくなる

・利用方法で意見が分かれて揉める

なるべく単独名義で相続するか、持ち分を整理しておくことが大切です。

【まとめ】豊島区での不動産相続は「知識と準備」がすべて

豊島区で不動産を相続する際は、都市部ならではの高額資産・複雑な権利関係・税金の負担など、注意すべき点が多数存在します。だからこそ、

・相続が発生する前の準備

・専門家との連携(司法書士・税理士など)

・不動産活用の選択肢の理解

が重要です。

「何となく」で進めてしまうと、後で大きな後悔につながりかねません。豊島区という地域性に即した相続知識を身につけることが、あなたとご家族の未来を守る第一歩になるはずです。
SHARE
シェアする
[addtoany]

ブログ一覧