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相続知識

豊島区で相続人が行方不明だった場合の対応策

相続が発生した際、必要な手続きの中でも「遺産分割協議」は欠かせません。しかし、相続人の中に連絡が取れない人や長年音信不通の兄弟姉妹がいると、話し合いが進まず、相続登記や税務申告がストップしてしまいます。


東京都豊島区では、都市部特有の事情から親族が全国に散らばっていたり、関係が疎遠になっていたりするケースも多く見られます。本記事では、相続人が行方不明だった場合に取りうる具体的な対応策について、豊島区の事例を交えて解説します。






【第1章】相続手続きにおいて「全員の同意」が必要な理由


■ 遺産分割協議は全相続人の合意が前提 相続人全員で「誰がどの財産を相続するか」を話し合うのが遺産分割協議です。一人でも参加できない相続人がいると、協議書が無効となり、名義変更や登記が進められません。

■ 相続登記も進まない 相続登記には、登記申請書・遺産分割協議書・相続人全員の印鑑証明書が必要です。連絡の取れない相続人がいると、法務局も登記を受け付けられません。






【第2章】行方不明の相続人がいる場合の主な対応策


■ ① 不在者財産管理人の選任 家庭裁判所に申立てをして、行方不明の相続人の代わりに財産を管理・手続きできる「不在者財産管理人」を選任してもらう方法です。

・管轄は東京家庭裁判所(豊島区から申立)

・申立人は他の相続人または利害関係人

・管理人は弁護士や司法書士が選ばれることが多い

■ ② 失踪宣告 生死不明期間が7年以上に及ぶ場合、家庭裁判所に「失踪宣告」を申立てることで、死亡したとみなされ、相続手続きを進められます。

※特別失踪(災害・戦争など)は1年で申立可能。

■ ③ 遺産分割調停・審判 家庭裁判所に調停または審判を申立て、裁判所の関与のもとで相続人の権利を調整する方法です。調停が不成立の場合、審判(裁判所の判断)で分割が決定されます。






【第3章】東京家庭裁判所での不在者財産管理人選任の流れ


①申立書・添付書類の準備

・相続関係図

・被相続人の戸籍・相続人全員の戸籍謄本

・財産目録(不動産・預金など)

・行方不明者の最後の住所・所在確認の資料

②管轄家庭裁判所へ申立て

・東京家庭裁判所(千代田区隼町)

➂管理人候補者の選任

・弁護士や司法書士を推薦するケースが多い

・選任後は裁判所の監督の下で協議参加・手続き

➃遺産分割協議の実施

・管理人が行方不明者の代理として協議に参加

・決定した内容に基づき登記・名義変更へ進む






【第4章】豊島区で起こりやすい行方不明者相続の実例


■ ケース1:実家相続で20年間音信不通の兄がいる → 不在者財産管理人の選任 → 管理人が協議参加 → 相続登記完了

■ ケース2:認知症のまま施設を転々としている叔母が相続人 → 所在不明だが生存の確認が取れる → 後見申立または管理人選任で対応

■ ケース3:海外移住後連絡が取れない相続人 → 海外領事館経由で所在調査 → 不在者認定または訴訟的対応






【第5章】専門家の活用とスムーズな手続きのためのポイント


■ 司法書士・弁護士に依頼するメリット

・書類の不備を防ぎ、時間を短縮

・管理人候補者として推薦可能

・調停・審判での代理人も依頼可能

■ 税理士との連携も重要

・相続税申告(10ヶ月以内)に影響あり

・連絡が取れない相続人がいると税務調査の対象になりやすい

■ 事前対策としての遺言・家族信託

・音信不通が想定される家族がいる場合、遺言書の作成や信託契約が有効な予防策となります






【まとめ】「行方不明者=相続不能」ではない


相続人が行方不明だからといって、相続手続きが完全に止まるわけではありません。家庭裁判所の制度を活用し、正しく手順を踏めば、相続登記や財産分割も可能です。

豊島区のような都市部では、親族の居住地が全国・海外に分散していることも珍しくありません。そうした中で相続トラブルを回避するには、「不在者対応制度」を早めに知り、必要に応じて専門家と連携して進めることが大切です。

何よりも、"時間が経つほど対応は複雑化"します。気づいた時点で迅速に行動することが、スムーズな相続への鍵となります。

 
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