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相続知識

豊島区での法定相続分の具体的な計算方法

 相続が発生した際に、まず問題となるのが「財産をどう分けるか」です。なかでも、遺言がない場合には民法で定められた「法定相続分」に従って遺産が分けられることになります。


都市部で地価が高い東京都豊島区では、不動産の相続において法定相続分をどう扱うかが、相続税の負担や登記手続きの明暗を分ける重要なポイントです。

本記事では、法定相続分の基本的なルールとその具体的な計算方法、さらに豊島区における不動産相続の事例を踏まえて、わかりやすく解説していきます。




【第1章】法定相続分とは?


■ 法定相続分の定義 「法定相続分」とは、被相続人(亡くなった方)の遺言がない場合に、民法で決められた割合で遺産を分けるルールです。

■ 基本的な相続人のパターンと法定相続分

・配偶者と子 → 配偶者1/2、子1/2(子が複数なら人数で均等分割)

・配偶者と直系尊属 → 配偶者2/3、親など1/3

・配偶者と兄弟姉妹 → 配偶者3/4、兄弟姉妹1/4

・配偶者のみ → 配偶者が全額

・子のみ → 子が全額を人数で等分

■ 豊島区で多い家族構成例

・子が2人いる高齢夫婦(配偶者+子2人)

・配偶者がすでに亡くなっていて子が3人いる

・独身のまま亡くなり、兄弟姉妹が相続人になるケース






【第2章】具体的な法定相続分の計算手順


■ ① 遺産の総額を把握する

・不動産:固定資産評価額や路線価ベース

・預貯金、株式、有価証券、現金

・借金や葬儀費用などの債務は差し引いて計算

■ ② 相続人を確定させる

・戸籍謄本を集めて、相続人を正確に確定(出生から死亡まで)

・認知された非嫡出子や養子も対象になるので注意

■ ③ 法定相続分をあてはめて財産を配分 例)

・総遺産:8000万円(不動産6000万円+預貯金2000万円)

・相続人:配偶者+子2人 → 配偶者1/2、子2人が1/2を等分 → 配偶者4000万円、子1人あたり2000万円

■ ④ 各相続人が取得する財産の組み合わせを考慮

・不動産は物理的に分けにくいため、持分登記にするか、売却して現金で分けることも選択肢




【第3章】豊島区の不動産を法定相続分で分けるときの注意点


■ 不動産の持分登記が基本となる

・例えば「6000万円の土地を配偶者1/2、子1/4ずつ」などと持分比率で登記

・その後の売却や賃貸では共有者全員の合意が必要

■ 共有のままだとトラブルに発展しやすい

・使用方法の違いや処分方針で意見が割れる

・将来の売却時に揉める原因になるため、単独所有や換価分割(売却して現金化)を検討

■ 登記費用や相続税にも影響

・不動産の相続登記には登録免許税(評価額×0.4%)が必要

・相続税も取得割合に応じて負担額が異なる






【第4章】ケーススタディ:豊島区の不動産相続事例


■ ケース1:池袋のマンションを相続

・遺産総額:1億円(不動産7000万円、預金3000万円)

・相続人:配偶者+子1人 → 配偶者5000万円、子5000万円 → 不動産を子が取得、預金で調整

■ ケース2:目白の一戸建てを子3人で相続

・遺産総額:9000万円(土地6000万円、家屋1500万円、預金1500万円) → 子1人3000万円 → 土地は3人の共有名義、預金を分けて調整 → 将来の売却方針が合わず揉めるリスクもあり

■ ケース3:遺言がなく兄弟姉妹4人で相続

・遺産:巣鴨の収益物件5000万円 → 各人1250万円分の持分 → 不動産を売却して現金で分配することで合意






【第5章】法定相続分での分割を避けたいときの選択肢


■ 遺言書の作成

・特定の不動産を誰に相続させるかを明記することで、持分の共有を避けられる

・自筆証書遺言でも家庭裁判所での検認が必要

■ 代償分割

・1人が不動産を取得し、他の相続人には現金を支払う方法

・不動産を手放さずに済むため、実家を守りたいケースに有効

■ 換価分割

・不動産を売却して現金に換え、それを法定相続分で分ける

・揉めにくく、公平性も高い

■ 家族信託の活用

・高齢の親が判断能力があるうちに信託契約を結ぶことで、相続後の財産管理を柔軟に行える




【まとめ】法定相続分は“スタート地点”、柔軟な分割方法の検討が重要


法定相続分は、遺産分割の基本であり法律上の出発点です。しかし、現実には不動産という物理的に分けにくい資産が多く含まれるため、単純な法定割合ではトラブルが起きやすいのも事実です。

特に豊島区のように不動産の評価額が高く、資産の大部分が土地や建物で構成されているケースでは、実務的・感情的な配慮が欠かせません。

法定相続分を理解したうえで、「どう分けるか」「どう登記するか」「どう節税するか」を専門家と一緒に戦略的に考えていくことが、円満な相続の鍵となります。
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