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相続知識

豊島区の再建築不可物件を相続した場合の対応策

東京都豊島区は、池袋・目白・駒込などの人気エリアを抱える都市型住宅地です。


再開発や地価上昇の影響で、不動産の資産価値は高い傾向にありますが、その中には「再建築不可物件」と呼ばれる特殊な物件も存在します。


再建築不可物件とは、現行の建築基準法の道路接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接する)を満たさないため、新たに建物を建てられない土地のことです。相続した際には、売却の難しさや利用制限など多くの課題が生じます。


本記事では、豊島区で再建築不可物件を相続した場合のリスクと活用・処分の方法を具体的に解説します。







第1章:再建築不可物件とは何か?


1.1 定義と背景


・建築基準法第43条に基づき、原則として幅員4m以上の道路に2m以上接していない土地は建築不可


・昭和25年以前に建てられた住宅や路地奥の長屋などに多い


・豊島区の古い住宅密集地(特に池袋本町・雑司が谷・南大塚など)に多く存在



1.2 なぜ相続で問題になるのか


・再建築できないため市場価値が低い


・金融機関の融資がつきにくく、買い手が限られる


・相続税評価額は低めだが、売却しづらく納税資金に困るケースが多い







第2章:相続時の注意点


2.1 相続登記の義務化


2024年4月から相続登記が義務化され、3年以内に登記を行わないと10万円以下の過料が科されます。



2.2 固定資産税の負担


再建築不可であっても、土地や建物の固定資産税は発生します。利用価値が低くても長期保有すれば税負担は続きます。



2.3 相続税評価額と実勢価格の差


・路線価は実勢価格より低めに設定されることが多い


・再建築不可物件は更に市場価格が下がるため、売却益は期待しにくい







第3章:対応策① 売却


3.1 現状渡しでの売却


・再建築不可のままでも現金化できる


・購入者は投資家や近隣住民が中心


・実勢価格は再建築可能物件の50〜70%程度



3.2 買主候補


・隣地所有者(セットバックや土地拡大目的)


・賃貸経営を狙う投資家


・民泊・簡易宿泊所経営者(用途によっては許可取得可能)



3.3 仲介業者の選び方


・再建築不可の取引経験が豊富な不動産会社を選ぶ


・豊島区内での成約実績があるか確認する







第4章:対応策② 建築可能にする方法


4.1 セットバックによる接道義務の充足


・道路中心線から2m後退させることで再建築可になる場合あり


・隣地所有者の協力や道路認定の有無を確認する必要がある



4.2 隣地購入または共有化


・隣接地を購入して接道部分を確保


・費用はかかるが資産価値が大幅に向上する可能性



4.3 行政との協議


・豊島区役所・建築課に相談し、私道の持分取得や道路認定手続きの可否を確認







第5章:対応策③ 活用する方法


5.1 リフォーム・リノベーションして賃貸


・現在の建物を活かして賃貸化


・家賃収入で固定資産税や維持費をまかなう


・耐震性や設備更新の費用を事前に見積もる



5.2 駐車場・トランクルーム活用


・建物を解体して平地利用


・初期投資が少なく短期運用が可能



5.3 倉庫・事務所利用


・建築不可でも既存建物の用途変更で活用できる場合あり







第6章:事例紹介


事例1:南大塚の木造住宅


・築50年、延床80㎡の木造戸建てを相続


・隣地所有者に土地を売却し、接道義務を満たして再建築可能に


・再建築可となった後に市場で売却し、相続税納税資金を確保



事例2:池袋本町の長屋


・路地奥の長屋を相続


・建物を簡易リフォームし、学生向けシェアハウスとして運営


・年間家賃収入約240万円を確保し、固定資産税・修繕費を賄う







第7章:専門家に相談するメリット


・法務局での登記や接道確認などの手続きが複雑


・土地家屋調査士や司法書士が接道義務の可否を調査


・不動産業者は現金化の戦略を提案


・税理士は相続税・譲渡所得税の最適化を助言







まとめ


豊島区で再建築不可物件を相続すると、利用や売却に制限があるため慎重な判断が必要です。


接道義務を満たす工夫や賃貸活用、専門家の助言を受けた売却戦略により、資産価値を最大限引き出すことが可能です。


相続後は放置せず、早めの調査と活用方法の検討を行うことが重要です。

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