品川区で相続した不動産の売却 ― 都心アクセスと再開発が進む人気エリアの資産戦略
東京都品川区は、山手線沿線の利便性と、再開発による将来性を併せ持つ人気エリアです。
「大崎」「五反田」「品川」「天王洲」「武蔵小山」「戸越銀座」など、住宅・オフィス・商業が混在しており、23区の中でも不動産価値が高く安定している地域のひとつです。
そのため、品川区で不動産を相続すると「思っていたより高額な相続税が発生した」「管理や維持が負担になってしまう」といった声も少なくありません。
本記事では、品川区で相続した不動産を売却する際の流れ・税務・高値売却のポイントを具体的に解説します。
第1章:品川区の不動産市場の特徴
1.1 エリアの多様性
品川区は、東京23区の中でも特に「用途・地価のバランス」が豊かです。主なエリアの特徴を見てみましょう。
・品川・大崎・天王洲エリア
再開発が進むビジネス中心地。タワーマンションやオフィスビルが多い。
・五反田・戸越銀座エリア
商業と住宅が融合した人気地域。中古マンションやアパートの売買が活発。
・武蔵小山・荏原エリア
下町情緒が残るエリア。再開発も進み、地価上昇が続く。
・大井町・青物横丁・鮫洲エリア
住宅街としての落ち着きと利便性のバランスが取れた地域。
このように、品川区は再開発エリアと昔ながらの住宅街が共存しており、相続後の不動産売却にも「戦略」が必要です。
第2章:相続不動産の種類と特徴
品川区で相続される不動産には次のようなタイプが多く見られます。
1.マンション(区分所有)
→ 大崎・五反田・大井町エリアで多く、高値売却のチャンスも。
2.戸建住宅
→ 西中延・荏原・小山・中延などで多く、土地としての価値が重視される。
3.アパート・収益物件
→ 武蔵小山・戸越銀座などの駅近では安定した需要あり。
4.借地・底地
→ 品川・大井・南品川などの旧住宅地に多く、権利関係の整理が必要なケースも。
相続後に売却するか、賃貸運用するかを判断するには、「立地」「築年数」「相続税負担」「維持コスト」の4要素を整理することが大切です。
第3章:売却までの流れ
3.1 相続登記を行う
被相続人名義のままでは売却できません。まず、相続登記を行いましょう。
(管轄:東京法務局 品川出張所)
※2024年から相続登記は義務化されており、放置すると過料の対象となる可能性があります。
3.2 相続人の合意形成
不動産を共有で相続した場合、売却には全員の同意が必要です。
遺産分割協議書を作成し、「誰が売却を担当するか」を明確にしておきましょう。
3.3 不動産会社への査定依頼
品川区は地価が高く取引件数も多いエリアです。
複数の不動産会社(大手+地域密着型)に査定を依頼し、販売力・ネットワーク・販売実績を比較します。
3.4 売却活動
・仲介売却:市場価格で販売。時間がかかるが高値を狙える。
・不動産買取:相続税の納税など、早期現金化が必要な場合に有効。
第4章:税務・法務のポイント
4.1 相続税
相続開始から10か月以内に申告・納税が必要です。
品川区は地価が高いため、相続税評価額が高くなる傾向にあります。
4.2 譲渡所得税
相続した不動産を売却した場合、譲渡所得税が発生します。
ただし「取得費加算の特例」により、相続税の一部を取得費として加算でき、税額を抑えることが可能です。
4.3 借地・底地・共有名義の整理
古くからの住宅街では、借地権や共有名義物件も多く見られます。
売却前に専門家(司法書士・税理士・不動産会社)へ相談し、権利関係を整理しておくことが重要です。
第5章:高く売却するための戦略
1.再開発エリアのタイミングを狙う
大崎・大井町・五反田周辺は再開発が進行中。今後の価値上昇を見込む買主も多く、好条件で売却しやすい。
2.地元需要と投資需要の両方を意識する
品川区はファミリー層だけでなく、投資家・法人からの引き合いも多いエリア。販売戦略をターゲット別に立てる。
3.物件の「管理状態」を整える
特にマンションでは、管理費の滞納や修繕履歴の欠如はマイナス評価。管理資料を揃えるだけで印象が良くなります。
4.建物価値より土地価値を意識
築古物件でも土地の形・接道状況が良ければ評価が高い。測量や境界確認を事前に済ませておく。
第6章:売却事例
事例1:大崎のタワーマンション
父親から相続したタワマンを売却。大手仲介を通じて海外投資家に販売し、査定額より700万円高く成約。
事例2:武蔵小山の戸建住宅
母親から相続した築45年の戸建を更地にして売却。商店街近くの立地が評価され、建売業者が高値で購入。
事例3:五反田の賃貸アパート
兄弟で相続したアパートを売却。老朽化が進んでいたため現況渡しとし、利回り重視の投資家にスムーズに成約。
第7章:専門家との連携が重要
品川区の不動産は金額が大きく、税務・法務ともに複雑です。
円滑に進めるには、次の専門家とのチーム連携が欠かせません。
・税理士:相続税・譲渡所得税の計算、特例適用
・司法書士:相続登記、遺産分割協議書作成
・不動産会社:品川区エリアに精通した販売戦略
・土地家屋調査士:境界確定・測量業務
まとめ
品川区で相続した不動産を売却する際は、以下の流れを意識しましょう。
1.相続登記を済ませる
2.相続人全員の同意を得る
3.地域特性を踏まえた不動産会社を選ぶ
4.税務特例を活用して節税する
5.再開発動向をチェックしてタイミングを狙う
品川区は、今後も「都心アクセス」「再開発」「生活利便性」の三拍子が揃う成長エリアです。
相続した不動産を適切に評価し、最適な時期と方法で売却することで、資産価値を最大化できます。
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