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相続知識

渋谷区で相続した不動産の売却 ― 都心ブランドを活かすための実践ガイド

東京都渋谷区は、都心を代表するビジネス・文化・居住の中心地。
「代々木」「恵比寿」「広尾」「表参道」「神宮前」「松濤」など、全国的に名前の知られたエリアが集まっており、不動産価値・地名ブランドの両面で非常に高い評価を受けています。


その一方で、地価の高さゆえに相続税負担も重く、維持管理費も高額になるため、相続後の活用・売却判断が重要になります。


本記事では、渋谷区で不動産を相続した場合の売却手順、税務上の注意点、高く売るための具体策を詳しく解説します。







第1章:渋谷区の不動産市場の特徴


1.1 ブランド性と資産価値の高さ


渋谷区は、23区の中でも常に上位の地価を誇るエリアです。
2025年現在、地価公示によると区全体の平均は1㎡あたり約180万円前後と、全国的にも極めて高水準。
相続税評価額も高く、相続税が発生するケースが非常に多いです。



1.2 エリア別の特徴


・松濤・南平台町・広尾エリア
 高級邸宅地として全国的に有名。土地取引が中心で相続案件も多い。


・代々木・初台・千駄ヶ谷エリア
 都心近接の住宅・オフィス混在地。再開発や商業需要も強い。


・恵比寿・代官山・中目黒(渋谷区側)エリア
 人気の高い商業・居住エリア。マンション売却が活発。


・神宮前・表参道エリア
 路面店舗や商業ビルの取引が中心。法人・投資家からの需要が強い。


・笹塚・幡ヶ谷・本町エリア
 住宅・マンションが中心。ファミリー層需要が安定。


このように、「どのエリアの不動産を相続したか」で戦略がまったく変わるのが渋谷区の特徴です。







第2章:相続不動産の種類と課題


2.1 主な相続不動産タイプ


・高級戸建住宅(松濤・南平台町など)


・区分マンション(恵比寿・代官山など)


・店舗・商業ビル(神宮前・宇田川町など)


・借地・底地(広尾・千駄ヶ谷などの旧住宅地)



2.2 相続後によくある課題


1.相続税評価額が高く、納税資金の確保が難しい


2.建物が老朽化しており、修繕・維持費が高額


3.兄弟間の共有相続による意思決定の遅れ


4.借地権・底地など複雑な権利関係


5.商業ビルなどでテナント契約・原状回復対応が必要







第3章:売却までの流れ


3.1 相続登記を行う


不動産を売却するには、まず被相続人(亡くなった方)の名義を相続人へ変更する必要があります。
2024年からは相続登記が義務化されており、怠ると過料(罰金)の対象になる場合も。
(管轄:東京法務局 渋谷出張所)



3.2 相続人の合意形成


複数人で相続した場合、売却には全員の合意が必要です。
遺産分割協議書を作成し、「売却の実行者」と「代金の分配方法」を明確にしておきましょう。



3.3 不動産会社への査定依頼


渋谷区では、取引実績のある不動産会社に査定を依頼することが重要です。
高額帯・商業地・投資向け・居住向けなど、扱うジャンルで得意不得意が分かれます。


例:


・住宅系 → 代々木上原・恵比寿・広尾に強い会社


・商業地系 → 渋谷・神宮前・表参道のテナント仲介に強い会社



3.4 売却方法の選択


・仲介売却:市場価格で販売し高値を狙う(時間に余裕がある方向け)


・不動産買取:相続税納付など、早期現金化を優先する場合に有効







第4章:税務・法務のポイント


4.1 相続税


相続開始から10か月以内に申告・納税が必要です。
渋谷区は地価が高いため、課税対象になりやすく、納税資金のために一部を売却するケースが多いです。



4.2 譲渡所得税


相続不動産を売却した場合、譲渡所得税が発生します。
ただし、「取得費加算の特例」を活用すれば、相続税の一部を取得費に加算でき、税負担を軽減できます。



4.3 借地・底地・共有名義の整理


渋谷区は古くからの邸宅地も多く、借地・底地・共有名義の整理が必要なケースも。
売却前に司法書士・不動産会社と連携し、契約・承諾関係を明確にしておきましょう。







第5章:高値売却のための戦略


1.立地価値を最大限に活かす
 「渋谷駅徒歩圏」「代々木公園近く」「広尾アドレス」など、住所自体がブランドになります。


2.再開発・新駅開業の情報を活用
 渋谷駅周辺の再開発や原宿エリアの商業リニューアルなど、将来性を打ち出すことで価格アップに。


3.富裕層・法人・外国人投資家の需要を狙う
 渋谷区は海外投資家・企業オーナーの購入意欲が高い地域。
 英語対応や海外ポータル掲載ができる仲介会社を選ぶと有利です。


4.古い建物は“リノベ素材”として販売する
 特に神宮前・下北沢・幡ヶ谷などでは、古家再利用を望む層が増加。
 解体せず現況販売でも高値が付くケースがあります。







第6章:売却事例


事例1:広尾の戸建住宅


母親から相続した築40年の木造住宅を更地にして売却。
「広尾アドレス」と整形地が評価され、建売業者間で競争入札が起こり、査定額より2,000万円高く成約。



事例2:恵比寿の区分マンション


父親から相続したマンションを売却。
投資用需要が高く、1か月以内に成約。賃貸中でも法人買主がつき、相場より8%高く売却成功。



事例3:神宮前の古家付き土地


祖父から相続した木造住宅を、アパレルショップオーナーに売却。
「雰囲気のある古家」を評価され、リノベ前提で高値成約。







第7章:専門家連携の重要性


渋谷区の不動産は金額が大きく、税務・法務のリスクも比例して高くなります。
そのため、以下の専門家連携が不可欠です。


・税理士:相続税・譲渡税の試算、節税提案


・司法書士:登記・遺産分割協議書作成


・不動産会社:地域と価格帯に合った販売戦略


・土地家屋調査士:境界・測量・接道確認







まとめ


渋谷区で相続した不動産を売却する際の成功ポイントは、以下の5点です。


1.相続登記・遺産分割を早期に完了する


2.相続税の納税スケジュールを意識する


3.ブランドエリアの価値を的確にアピールする


4.再開発・投資需要を活用する


5.専門家と連携してリスクを抑えながら進める


渋谷区は、単なる「都心の不動産」ではなく、**“世界的なブランド資産”**です。
相続によって引き継いだ不動産を正しく評価し、最適な売却・再投資を行うことで、次世代につながる価値ある資産運用が可能になります。

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