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相続知識

江戸川区で相続した不動産の売却 ― 水と緑に囲まれた街で資産を上手に引き継ぐ方法

東京都江戸川区は、荒川と江戸川に挟まれた自然豊かな地域で、葛西・小岩・船堀・平井など、落ち着いた住宅地と商業エリアが共存しています。
昔ながらの町工場や商店が残る一方で、近年はファミリー層向けマンションや再開発も進行中。


そのため、「親から相続した古い家」や「借地付き土地」などをどう扱うかで、資産価値が大きく変わる地域でもあります。
この記事では、江戸川区で不動産を相続した際の手続き、税務・法務上の注意点、そして高く売るための実践的戦略を詳しく解説します。







第1章:江戸川区の不動産市場の特徴


1.1 地域ごとの特性


江戸川区は23区の東端にあり、住宅街・商業地・工業地帯が混在しています。
エリアごとに特徴が異なり、相続後の対応方針を決めるうえで把握しておくことが重要です。




【エリアと特徴】
◆小岩・東小岩

商店街が多く、駅近戸建の需要が高い。相続物件が多い地域。


◆葛西・西葛西

再開発が進み、マンション需要が非常に高い。


◆船堀・一之江

戸建中心の静かな住宅街。ファミリー層の購入ニーズが安定。


◆平井・松江

古い住宅地が多く、借地・再建築不可の物件が見られる。


◆南小岩・篠崎

地価上昇中。土地取引が活発で、相続売却も多い。


1.2 市場動向


・江戸川区は地価が比較的安定しており、23区内では「手頃な価格帯」として人気。


・葛西・船堀・小岩エリアでは、再開発や新駅計画により資産価値が上昇傾向。


・相続案件では築古住宅・借地・共有名義の整理案件が増加中。







第2章:相続不動産の特徴と課題


2.1 相続されやすい不動産の種類


・築30年以上の戸建住宅


・借地権付き土地(戦前からの契約も多い)


・区分マンション(家族住居または賃貸用)


・アパート・工場併用住宅



2.2 よくある課題


・老朽化による維持コスト・修繕費の負担


・再建築不可・接道義務未達による価格低下


・相続人間の意見対立(売る・住む・貸す)


・相続登記の未実施による売却停止


・相続税納付期限(10か月以内)への対応不足


特に江戸川区では、「借地権」「底地」「再建築不可」など、法的整理が必要な相続不動産が多いのが特徴です。







第3章:売却までの流れ


3.1 相続登記を完了する


まず、亡くなった方の名義を相続人に変更します。
2024年からは相続登記が義務化され、放置すると過料(罰金)の対象になる可能性があります。
(管轄:東京法務局 江戸川出張所)



3.2 遺産分割協議を行う


複数の相続人がいる場合、売却には全員の同意が必要です。
「誰が売るか」「売却後の分配方法」を記載した遺産分割協議書を作成しましょう。



3.3 不動産会社へ査定依頼


江戸川区ではエリアによって需要層が異なるため、


・「地元の販売実績がある会社」


・「再開発・投資案件に強い会社」


の両方に査定を依頼して比較しましょう。



3.4 売却方法の選択


・仲介売却:高値で売れるが、販売に時間がかかる(3〜6か月程度)。


・不動産買取:早期現金化を優先。相続税納付資金の確保に有効。







第4章:税務・法務上のポイント


4.1 相続税


相続開始から10か月以内に申告・納税が必要です。
江戸川区の住宅地では、「小規模宅地等の特例」(最大80%減)が適用できるケースが多く、節税効果が大きいです。



4.2 譲渡所得税


売却益に対して課税されますが、「取得費加算の特例」を利用すれば相続税の一部を取得費に加算できます。
これにより、税負担を軽減できます。



4.3 借地・底地・共有名義の整理


借地権が関係する場合、地主の承諾や底地の一括売却が必要です。
また、共有名義の場合は持分整理・代表者決定を行いましょう。







第5章:高く売るための戦略


1.再開発・駅周辺需要を活かす
 葛西・船堀・小岩など、地価上昇が見込まれるエリアは売却好機。


2.現況販売を柔軟に活用する
 老朽建物を解体せず「古家付き土地」として販売することで、建築業者・投資家からの需要を取り込む。


3.土地の測量・境界確定
 買主の安心感を高め、価格交渉で有利になる。


4.地元業者+大手仲介のダブル戦略
 江戸川区は地元購入者も多く、地域密着型販売が効果的。


5.税務スケジュールを意識して進行
 相続税納付期限(10か月)を逆算し、売却活動を計画的に行う。







第6章:売却事例


事例1:小岩の戸建住宅


父親から相続した築45年の木造住宅を更地にして売却。
南向き整形地で、建売業者同士の競合により当初査定より900万円高く成約。



事例2:葛西の区分マンション


母親から相続したマンションをリフォームして売却。
駅徒歩5分という立地が評価され、販売開始から3週間で成約。



事例3:金町の借地物件


祖父名義の借地住宅を地主と交渉して底地ごと一括売却。
複雑な権利関係を整理し、早期に現金化に成功。







第7章:専門家連携の重要性


江戸川区の相続不動産では、権利関係・税務・市場動向が複雑に絡み合います。
スムーズに売却を進めるためには、以下の専門家連携が不可欠です。


・税理士:相続税・譲渡税の計算、節税提案


・司法書士:登記・遺産分割協議書作成


・不動産会社:地域に即した販売戦略


・土地家屋調査士:測量・境界確定


複数の専門家が連携することで、トラブルを回避しつつ最適な売却計画を立てることができます。







まとめ


江戸川区で相続した不動産を売却する際のポイントは、


1.相続登記を早めに完了させる


2.相続人間での合意を明確化する


3.節税特例を最大限活用する


4.地域に強い不動産会社へ査定を依頼する


5.専門家チームでリスクを最小限にする


江戸川区は、下町の親しみやすさと都心・千葉方面の利便性を併せ持つ街です。
相続を機に、不動産を「売る・活かす・残す」をしっかりと整理し、家族の資産を次世代へ安心して引き継ぐための第一歩を踏み出しましょう。

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