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相続知識

日野市で相続した不動産の売却 ― 多摩エリアの住宅都市で資産を守るための実践ガイド

東京都日野市は、多摩地域の中でも「生活利便性」と「落ち着いた住宅環境」のバランスが取れた街です。
JR中央線・多摩モノレール・京王線の3路線が利用でき、新宿・立川・八王子など主要エリアへのアクセスも良好。
そのため、「都心に通える郊外型ベッドタウン」として人気が高く、不動産の資産価値も安定しています。


しかし近年では、高齢化に伴う相続案件が増加し、築古戸建や空き家の管理・税金の負担が課題となっています。
この記事では、日野市で相続した不動産を売却する際の流れ、税務・法務の注意点、そして地元市場の動向を踏まえた“高く・安全に売るための戦略”を詳しく解説します。







第1章:日野市の不動産市場の特徴


1.1 エリア別の特徴



【エリアと特徴】


◆日野駅・豊田駅周辺

再開発でマンション・商業施設が充実。相続マンションの売却が増加。


◆南平・高幡不動

古くからの住宅地で、戸建・借地物件の相続が多い。


◆万願寺・甲州街道

モノレール沿線で地価安定。土地分割・転用がしやすい。


◆百草・三沢

緑豊かで閑静。古家付き土地や農地が多い。


◆神明・旭が丘

新興住宅地が広がり、ファミリー層の需要が強い。


1.2 市場動向


・駅徒歩圏のマンション・戸建は流動性が高い。


・一方で、築古物件や農地を含む土地は売却まで時間を要する。


・相続案件では「納税のための売却」「空き家処分」「共有解消」などが中心。


・地価は安定しており、周辺都市(立川・八王子)の影響を受けやすい。







第2章:相続不動産の種類と課題


2.1 よくある相続物件のタイプ


・戸建住宅(築30〜50年)


・分譲マンション(日野・豊田・高幡不動周辺)


・貸家・アパート(地主型相続)


・農地・雑種地(旧家・農家系)


・借地権付き住宅



2.2 よくある課題


・相続登記が未実施で売却ができない


・建物が古く修繕費がかさむ


・相続人間の意見がまとまらない


・農地法・都市計画法の制限を理解していない


・納税期限(10か月以内)が迫っている


日野市では、「宅地と農地が混在する地目」や「借地権付き住宅」など、法的整理を要する相続不動産が多く見られます。







第3章:売却までの流れ


3.1 相続登記の完了


相続登記は2024年4月から義務化されました。
登記を完了していないと売却できません。
(管轄:東京法務局 八王子支局)



3.2 遺産分割協議


相続人が複数いる場合は、全員で「遺産分割協議書」を作成し、売却権限と代金配分を明確にしておきましょう。



3.3 査定と販売計画の立案


日野市は地域による価格差が大きいため、地元不動産会社と大手仲介会社の両方に査定を依頼するのが理想です。
価格だけでなく、「販売方法」「税金対応」「地域理解度」を比較します。



3.4 売却方法の選択


・仲介売却:市場価格での取引。時間をかけて高値を狙う。


・買取(即現金化):相続税納付・共有解消を急ぐ際に有効。







第4章:税務・法務上の注意点


4.1 相続税


相続発生から10か月以内に申告・納税が必要です。
日野市は宅地面積が広い住宅が多く、「小規模宅地等の特例」(最大80%減)の適用可否が節税の鍵となります。



4.2 譲渡所得税


売却益には譲渡所得税が課税されます。
「取得費加算の特例」や「空き家3,000万円特別控除(空き家特例)」を利用すると、税負担を大幅に抑えられます。



4.3 農地・調整区域・借地の注意点


・農地:売却には「農地法第5条の許可」が必要。


・調整区域:宅地転用には開発許可が必要。


・借地:地主の承諾・更新料が発生する場合がある。







第5章:高く売るための戦略


1.立地条件を最大限に活かす
 「中央線・モノレール・京王線利用可」という希少性を訴求。


2.古家付き土地として販売
 リフォーム・建て替え希望の需要を取り込み、解体コストを抑える。


3.測量・境界確定を早めに実施
 特に古い住宅地では境界不明によるトラブルを防止できる。


4.税理士との早期相談
 相続税・譲渡税の特例を把握し、最適なタイミングで売却。


5.地元業者+広域販売戦略
 日野市は立川・多摩・八王子エリアの需要を取り込めるため、広域での広告戦略が有効。







第6章:実際の売却事例


事例1:日野駅徒歩10分の戸建


父親から相続した築40年の木造住宅を更地にして販売。
再建築需要が強く、建売業者間で入札競争。査定より1,100万円アップで成約。



事例2:高幡不動のアパート


母親から相続した老朽アパートを投資家に売却。
利回りを重視した買主を見つけ、空室対策資料を提示して短期間で契約成立。



事例3:百草の農地付き宅地


祖父から相続した土地を農地法許可を得て宅地化。
住宅メーカーと連携し、半年で販売完了。







第7章:専門家連携でトラブルを防ぐ


日野市の相続不動産は、法務・税務・行政が絡む複雑なケースが多いため、専門家連携が不可欠です。


・司法書士:登記・協議書・権利整理


・税理士:相続税・譲渡税の試算と節税対策


・土地家屋調査士:測量・境界確定


・不動産会社:査定・販売・買主交渉


これらを連携させることで、法的リスクを回避し、スムーズな現金化が可能になります。







まとめ


日野市で相続した不動産を売却する際のポイントは、


1.相続登記を早期に完了する


2.相続人の合意を形成する


3.節税特例を活用する


4.境界・地目を明確にしてトラブルを防ぐ


5.専門家チームと連携して進める


日野市は、交通利便性・環境・生活インフラのバランスが取れた街です。
相続をきっかけに、放置せずに「活かす」「整理する」ことで、資産価値を保ち、次世代への安心した承継が可能になります。

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