真鶴町で相続した不動産の売却 ―「海が見える=高く売れる」という誤解が、すべてを狂わせる―

真鶴町で不動産を相続した方から、ほぼ必ず出てくる言葉があります。
「真鶴って、海がきれいで人気ありますよね?」
「別荘とか移住希望者、いますよね?」
「湯河原や熱海も近いし、売れますよね?」
この感覚、真鶴町の相続不動産では非常に危険です。
確かに真鶴町は、
・真鶴半島という独特の地形
・漁港と海に囲まれた町並み
・風情のある集落
・都心からのアクセスも一応可能
という、「魅力的に聞こえる要素」を多く持っています。
しかし相続不動産の現場では、
・町域が極端に小さい
・不動産市場そのものが小規模
・坂・崖・擁壁だらけ
・強い景観・建築規制
・「移住希望者が多い」という幻想
によって、売却判断を誤ると長期塩漬けになる町でもあります。
この記事では、真鶴町で相続した不動産を売却する際に、なぜ読み違えが起きやすいのか
そしてどう判断すれば致命傷を避けられるのかを、実務目線で詳しく解説します。
第1部:真鶴町の地域特性と相続不動産市場の実態
真鶴町を理解するうえで最初に押さえるべきことは、「真鶴町は“観光地でもベッドタウンでもない”」という点です。
■ 真鶴駅周辺は“町内で唯一、住宅需要が成立するエリア”
真鶴町の中で、住宅としての売却可能性があるのは、
・真鶴駅徒歩圏
・駅から比較的平坦なエリア
に、ほぼ限定されます。
このエリアでは、
・JR東海道線利用
・生活利便施設が徒歩圏
・地元需要・一部移住需要
があり、条件が揃えば売却が成立する可能性があります。
■ 半島部・港周辺は“雰囲気と売却難易度が比例しない”
真鶴半島や港周辺は、
・眺望
・風情
・漁港町らしさ
という魅力がありますが、
・急坂
・崖地
・擁壁
・狭小道路
がセットで存在し、住宅用不動産としては難易度が一気に跳ね上がります。
■ 別荘・移住需要は「あるが極小」
真鶴町にも、
・移住希望者
・セカンドハウス希望者
は存在します。
ただしこれは、
・件数が非常に少ない
・条件に強いこだわりがある
・価格にシビア
という、“点のような需要”であり、一般的な売却市場とは別物です。
第2部:真鶴町の相続不動産を正しく査定するためのポイント
真鶴町では、「海が見える」「雰囲気がいい」という言葉は査定材料になりません。
■ 建物価値はゼロ〜マイナスが基本
真鶴町の相続不動産は、
・築40〜70年
・旧耐震
・潮風による劣化
・空き家期間が長い
というケースが多く、建物は
・資産ではなく
・解体前提、または大幅修繕前提
として扱われることが一般的です。
■ 坂・崖・擁壁は価格を一気に削る
真鶴町では、
・高低差
・崖条例
・擁壁の安全性
が必ずと言っていいほど絡みます。
これらは、
・住宅ローン不可
・建替えコスト不明
・買主限定
という理由で、価格と売却スピードを直撃します。
■ 景観条例・建築制限は想像以上に強い
真鶴町は、
・景観条例
・建築制限
・色彩・形状制限
が厳しく、「建て替えれば価値が上がる」という発想が、ほぼ通用しません。
■ 土地が広いほど売れにくい
真鶴町では、
・広い敷地
・古い別荘
ほど、
・管理できない
・買主が限定される
という、都市部とは逆の評価構造が働きます。
第3部:真鶴町で相続不動産を売却するための実務ステップ
真鶴町の相続不動産売却は、「売れる前提」を一度捨てることから始まります。
■ ステップ1:相続登記と物件区分の整理
まず、
・宅地
・別荘
・山林
・崖地
どれに該当するのかを整理しなければ、話は前に進みません。
■ ステップ2:再建築可否・景観・ハザードの確認
・建築基準法上の道路
・崖条例
・景観条例
・土砂災害警戒区域
これらを確認することで、売却の現実が見えてきます。
■ ステップ3:売却以外の選択肢も並行検討
真鶴町では、
・一般売却
・業者買取
・隣地交渉
・長期保有
と、複数の出口を同時に考える必要があります。
■ ステップ4:売却方法の選択
・一般仲介
駅徒歩圏・平坦地・条件が良い場合のみ。
・業者買取
築古・崖地・早期整理向け。
・売却以外
条件次第では現実的な選択。
第4部:真鶴町の相続不動産と税金の注意点
■ 空き家の3,000万円特別控除は期待しすぎない
真鶴町では、
・再建築不可
・宅地扱いされない
・調整区域
といった理由で、特例が使えないケースも多いのが実情です。
■ 税金より維持・事故リスクが重い
真鶴町の相続不動産では、
・固定資産税
・草刈り
・崖・擁壁
・台風・塩害
といった継続的リスクが避けられません。
■ 相続税評価と実勢価格の乖離
評価額は出るが、
・実際には売れない
・売れても大幅に下がる
という現象が、真鶴町では珍しくありません。
第5部:真鶴町で後悔しない判断基準
■ 早期に整理を検討すべきケース
・半島部
・崖・坂が多い
・再建築不可
・管理が困難
■ 売却可能性が残るケース
・真鶴駅徒歩圏
・平坦地
・接道良好
・規模が小さい
■ 迷ったら3つの軸で考える
1.住宅として現実的に使えるか
2.10年維持する覚悟があるか
3.次世代に負担を残さないか
【まとめ】
真鶴町の相続不動産は「雰囲気」ではなく「条件」で9割決まる
真鶴町は、
・風情がある
・海がきれい
・個性的
という理由から、相続不動産を美化してしまいやすい町です。
しかし実際には、
・市場の小ささ
・地形の厳しさ
・規制の多さ
が、売却の現実を大きく左右します。
後悔しないためには、
・「真鶴だから価値がある」という思い込みを捨てる
・早めに出口を見極める
・税金より管理リスクを優先する
ことが不可欠です。
「真鶴町の相続不動産は、雰囲気に惚れず“処理できるか”で判断する」
この視点がなければ、
真鶴の相続は必ず長期戦になります。
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